普結くんは、桃にイジワル。
「…笠原さん?
どうしたの?」
「ほら、この前言ってた本借りようと思って!約束したでしょ?」
にこにこと花が咲いたような笑顔を振りまく笠原さんは、
女のあたしから見てもすごく可愛い。
本借りにきたなんて、きっと口実だ。
どうにかして普結くんに会いにきたかったんだろう。
「…なー、あの子と普結ってどういう関係なわけ?
なんかやたら仲良さそうじゃない?」
じっとりと笠原さんを見つめたまま、鈴木が口を尖らせる。
普結くんが誰かと仲良く喋ってるなんてかなり珍しい。
きっと鈴木はあまり面白くないんだろうな、と思った。