普結くんは、桃にイジワル。




不意にいきり立った鈴木がずんずんと普結くんたちの元へ足を進める。


「あ、こらバカ!」


リエちゃんの言葉も聞こえないフリで、鈴木は花を散らす彼女の目の前に立った。


「あのさあ、アンタ普結のなんなの?
ちなみにおれは普結の一番の親友だけど?」


聞かれてもいないのに自己紹介するおかしな男に動じることもなく、
笠原さんはふわりと笑った。


「知ってる!
うちのクラスだもんね?鈴木くん、話したことないけど面白い人だなあって思ってたんだ」

「え……」

「綺麗な金髪だよね!
ユリも髪染めたいなあ〜っ」



あ、落ちたな。

目を見開いて赤い顔で固まる鈴木を見て、そう思った。

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