普結くんは、桃にイジワル。
ピシリ。
音を立てて空気が凍りついたように感じた。
顔がどんどん引きつっていく。
「ちょ、ちょちょちょあの女相当やり手じゃない!!
なにあのキラキラの目!」
「…その割に普結くん全く聞いてないみたいだけど」
大きな目をキラキラさせて首を傾げる笠原さんに、頬杖ついたまま文庫本を広げる普結くん。
空気読めない人VS空気読めない人の対決を見た。
若干めんどくさそうに上目遣いで笠原さんをちらりと見た普結くんの目が、
不意にあたしを捉える。
少し離れた距離から見る普結くんは何か言いたそうに少し口を開いた。