普結くんは、桃にイジワル。
臆病な君の思うツボ 12
「…………で、夏休み終了したわけね」
「…………」
「連絡してみりゃよかったのに」
「そうなんだけどね…
連絡くれるかな、明日こそくるかな、って思ってたら…
夏休み終わってた…」
「有意義な夏休みだったわね」
新学期が始まったばかりだというのに、項垂れるあたし。
9月にもなったというのにまだまだ日差しは強い。
普結くんに一度も会っていないのに、普結くんに振り回されっぱなしの夏休みだった。
「ふーーーゆーーーー!!!
おっはよ!!いい朝だな!!!!!」
「近寄るな暑い」
「またまたあッ!
夏休みは俺と暑い日々を過ごした仲だろぉっ」
「えっ?!!?」
馬鹿でかい鈴木の言葉に思わず反応してしまう。
暑い…日々を……
鈴木と………?
「鈴木に負けたわね…」
しみじみと頷くリエちゃんの横でぶっ倒れそうになる。
この目眩は暑さのせいなんかじゃない。