普結くんは、桃にイジワル。
朝から何度目かわからないため息を吐きながら、ポンポンを作るためにビニル紐を細かく裂いていく。
「…朝から何回目?ため息」
「え、そんなにため息ついてた?
なんだろ疲れてんのかな」
あはは、と笑ってみせるけどあたしの下手くそな愛想笑いなんて、リエちゃんは簡単に見破ってしまう。
気持ちを落ち着かせるために目の前にあったウーロン茶のペットボトルに手を伸ばした。
「あれからどうなったの、鳴海くんと」
突然タイムリーすぎる話題を突っ込まれて派手にウーロン茶を噴き出した。
今鳴海くんの話と普結くんの話はあたしには禁句だ。
「きったないなー…
あんな大声で公開告白されたら、ねえ?
やっぱ気になるじゃない?」
そう言って野次馬根性を隠しもせず、目をキラキラさせてあたしを見る。
いい性格してる、ほんとに。