普結くんは、桃にイジワル。
誰も座っていない隣の席を横目で見て、またため息をつく。
普結くんが何を考えてるのか全くわからない。
だったらいっそ、
深く関わるのはやめた方がいいんじゃないか。
普結くんにこだわるのはもうやめた方がいいんじゃないか。
「……振り回されてんなー」
「ん?」
「いや、前に桃言ってたじゃん
″振り回される女から振り回す女になる″って」
「………………」
元彼に訳の分からないふられ方をしたあの日。
たしかに言った。
こりずに未だに振り回されてるなんて
笑える。
「まあでもあたしは嫌いじゃないよ、振り回されてる桃」
見てるあたしは面白いし?
そう言ってにっこり笑ったリエちゃんを睨みつける。
他人事だと思って。
「今度こそ振り回されないもん」
「へーえ、頑張って?」
全く応援してなさそうなリエちゃんは、再びポンポンを作る手を動かし始めた。