普結くんは、桃にイジワル。




「…なあ鈴木、
どうやったら自信持って欲しいものに手を伸ばせるかな」

「ん?そうだなあー
俺だったら万が一何かがあって急な出費があったときに困らないように
常日頃から貯金を全力でするかな!」

「…………」


″欲しいもの″イコール金で買えるものではないのだということが
コイツは全く頭に浮かばなかったらしい。

クソ真面目に聞いた俺が馬鹿だった。



「なにが欲しいんだよ普結は。時計か?帽子か?」

「……もっと手に入る気がしないもの」

「わかった!
ナ○キの限定スニーカーだろ?!!
あれ俺も欲しいんだよなあ〜でも買える気しねえよな!わかるわかる!!」


勝手に分かった気になって満足げに頷く鈴木の背中をふと見てみると、



どこからくっつけてきたのかセミがしがみついていた。



「………鈴木、背中にセミ付いてんぞ」

「え?!!嘘!!待って、とってとって!!!」

「…夏も終わりよのう」

「ちょっと普結、取ってってば!
俺セミ無理!」







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