普結くんは、桃にイジワル。
「…で、どうなったんすか」
「一生懸命練習してたのよ…あの普結くんが…
なんか泣きそうになっちゃってさ」
「……いやちがうっしょ
なんで柚山先輩の話になるんすか」
「……え、じゃあなんの話…」
「俺らがどうなってんすか今って話」
体育祭準備期間はいつもより遅い時間に下校するから、
校舎を出たときにはあたりは真っ暗だった。
たまたま一緒に帰る約束をしていた鳴海くんと並んで歩くけど、
街灯がないとその表情が見えづらい。
「な、ん、で、俺が柚山先輩の話聞かなきゃなんないんすか。
この前の、アレかなり勇気出したんですけど俺。
無かったことになってんすか?」
「そんなことない!!!
覚えてるよさすがに…!」
「…振り回してくるなあ、八宏先輩」
「え、振り回してる?
あたし鳴海くんを振り回してるの?」
「…なんでちょっと嬉しそうなんすか」