普結くんは、桃にイジワル。






圧巻だった応援合戦が終わった。

大好評だったようで、クラスの皆んなも興奮気味に口々に感想を言い合っていた。



「さ、桃も頑張らないとね?」

背中を押してくれたリエちゃんに頷いて、鉢巻きを結ぶ。


次は対抗リレー。


あたしだって、
いいとこ見せてやる。










「山根くん!バトンパスのイメトレオッケー?」

「ああ、うん…」


対抗リレーの走順は、あたしが最後から2番目。

なかなかに重要なポジションだ。


アンカーの山根くんに確実にバトンパスしよう、

そう意気込んでいたんだけど。



「…ねえ山根くん、
なんか顔色悪くない?」

「ごめん八宏…俺実は食べすぎちゃって、
腹が…っ」

「えええええええええええ?!」


青い空に響き渡るあたしの悲鳴。


体育祭最大のピンチ。



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