普結くんは、桃にイジワル。
ふてくされたように目を伏せたままぽつぽつと話す普結くんは、
いつもと違ってやけに幼くみえる。
そうか、
だから頑張ってたのか。
「鳴海くんもいたしね」
「鳴海くん?」
「急がなきゃほんとに鳴海くんの彼女になっちゃうと思ってめっちゃ頑張った俺」
「…………もしかして
もしかしてなんだけど、違ってたらごめん。
プールサイドで急に抱きついたりとかしたのってもしかして、」
「……………」
「……………」
「やきもちだけど?それが何?」
やけくそのように言った彼の耳が、頬が、真っ赤で。
なんだろうこの気持ち。
かわいいなちくしょう。
「あーーーー!!!!いた!!!
柚山くんっ!!!」
「普結、どう言うことだよ?!
なんで親友の俺に恋愛相談してくれなかったんだよ!!」
「ごめん桃、こいつら2人を探しに行くって言ってきかなくて…」
不意に聞こえた賑やかな声、いつもの雰囲気。
一気に現実に引き戻されたような気がして少し恥ずかしいような、照れ臭いような気持ちになる。
「戻ろっか普結くん。
みんな待ってる」
「あーーー……うん」