普結くんは、桃にイジワル。
うちわであおぎながらなんとか風を送ろうとするあたしを、
机に突っ伏したまま顔だけむけてじっと見つめる。
その視線になんとなく居心地がわるくなって、
…ああ、うちわであおいで欲しいのか。
そう勝手に解釈して普結くんの頭の上あたりをあおいであげた。
「…………」
「……………」
「…………」
「…っ、なに!どうしたの?」
「えらい?俺」
「え?」
「体育頑張ってて、えらい?」
「ああ…うん、えらい」
あたしの言葉に満足げに笑った普結くんは、
あたしの手をつかんで自分の頭に載せた。