普結くんは、桃にイジワル。
自覚した瞬間にカッと火がついたように熱くなる顔に、
普結くんは目ざとく気づいてしまったようで。
「照れてんの、かーわーいーいー」
「うるさ!!」
鼻にかかった声で、揶揄うように笑う。
その顔を直視できなくて、
目を逸らした。
「暑いっすなーーーあーーー!!!!
みんなで涼しくなることしようぜ普結!!!!」
どこから出しているのか本気で聞きたくなるくらいに大きな声で
教室に飛び込んできたのは鈴木。
…放課後のささやかな普結くんとの時間を返して欲しい。
せっかく誰も居なかったのに、と心の中で肩を落とした。