普結くんは、桃にイジワル。
「ふ…普結くん」
「…………」
「こ、怖いの?」
「………」
しばらくあたしにしがみついたまま、
固まっていた普結くんだけど。
おもむろに顔を上げて言った。
「は?頭おかしいんじゃない?
なんで逆に怖くないわけ?
怖いに決まってんじゃんこんなの」
逆ギレ気味に言ったその顔は、
今までに見た中で1番不機嫌な顔だったけど。
「…………ぷっ」
鈴木とリエちゃんと3人で一斉に吹き出した。
あの普結くんの苦手なものが、
ホラー映画で。
しかも怖がり方が尋常じゃないなんて。
こんなの笑うわずにはいられない。