普結くんは、桃にイジワル。



「普結くんハイこれ、先生から返却された数学のノート」


「コマオ」


「……………」




「…あ!あたしこのお店前から行きたかったんだよね〜
普結くん今日放課後空いてる?」


「ケンチャナヨ」


「………………」



「うわ!!!まってこれめっちゃおいしいね、普結くん!」


「チンチャマシッタ!!」


「…………」







「ねえリエちゃん、なんで普結くんに韓国語なんて教えたの…」

「あたし教えてないわよ?
勝手に興味持ったのは柚山だから」

「そうだけどさ〜〜〜〜」


机に倒れ込むあたしは恨めしく隣の男を睨む。


涼しい顔をして読書をするその手には、
″これで完璧!マスター韓国語″
の文字が表紙に踊る本。


…つい最近まで″初心者″だったくせに。



もうマスターかい。


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