普結くんは、桃にイジワル。





「鳴海光くんかあ…
光ってたなあ」

「アンタまさか、あの子のこと…」

「まさか!ちょっとレイヤくんに似てるなーって思っただけよ!」


そう。

別に好きになったとかそんなんじゃない。

第一あたしは彼氏に振られたばかりの女だ。


「もうあんな風に振り回されたくないもん
振り回される女じゃなくて振り回す女になるのあたし」

「そう…
頑張ってね。」


リエちゃんからの生暖かい視線を受け流して、もう一度スマホを見返す。
あたしだけに笑顔をくれる赤毛の彼は、相変わらず此方に眩しい笑顔を送ってくれた。



「はー、
えらい目にあった
八宏さんのせいで俺の休憩時間なくなったじゃん」

「…普結くんが勝手にしたことじゃない。」

「よだれ垂らして今にも襲いかかりそうな女に狙われた後輩が同じ男として可哀想になったんですぅー。
俺って本当いい奴だなあ」



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