普結くんは、桃にイジワル。
「……はやく終わんないかな、世界」
「ちょっと、アンタの失恋ごときで世界の終わり望むんじゃないわよ」
「失恋ごとき、ってあんまりじゃないかいリエちゃん。
あたし今心と身体がバラバラに砕け散りそうなのよ?慰めてくれてもよくない?」
「大丈夫よ、いつも通りだから。みたところどこも砕けてないから」
「いやそういうことじゃなくてさ…
それはあくまでもたとえであって」
「さぁ〜今日もがんばるぞお〜」
あたしの話を遮るように、棒読みのリエちゃんの言葉がぶつかる。
ぼんやりと席に座っていると、昨日の冷たい目をした(元)彼氏の顔がまた蘇ってきた。
「ねえ、アンタの彼氏って何高だっけ」
「北高…ここから三つ隣の駅の」
「ああ北高ねえ、
お嬢様いっぱいの高校でしょ。
…お嬢様には勝てないわ。しゃーない」
「…っ、同じ学校の人だなんて言ってなかったもん!!!」
「え、浮気相手がどこのだれかっていうのは聞いたの?
だれだれ?」
顔を真っ赤にして否定するあたしがよっぽど面白いらしい。
リエちゃんはキラキラした目であたしに詰め寄った。