普結くんは、桃にイジワル。



お互い違う高校に行くことは分かってた。

だけど大丈夫だと思ってた。


中学校からずっと一緒だったから、
これから先だって一緒にいれると

そう思ってたのに。


久しぶりに会った(元)彼は、もうあたしのことなんか眼中にないんだって一発で分かる顔をしていた。



「…え、別れたいってなに…

どういうこと…?」

「ほんとごめん。
今までありがと」

「ちょっと待ってよ!!
好きな子って何?
なんで急に…!」

「…あんま聞かないでよ。
とにかく別れよ、それだけ」


じゃあ、とだけ一言言って背中を向けた彼は

あまりにも呆気なく去っていった。







「……………」

「聞いといて黙るって何よ…
なんか言ってよ…」

「思ってたより三倍悲惨だった」

「…率直なご感想をありがとうございます」


机に突っ伏したあたしを言葉もなく撫でたリエちゃん。


口は悪くてすぐ人の不幸に興味津々になるところが玉にキズだけど、

本当は優しい子だ。

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