普結くんは、桃にイジワル。
「桃、あたしらまだ16だよ?
元彼のことは忘れて次行こう次!
そろそろゲームもほどほどにして、
現実見よ!」
「誰かいないのか、気になる奴とか!」
「…あ、あの子は?
鳴海くん、だっけ」
リエちゃんの口から出てきた名前に、
脳裏に特徴的な赤髪が浮かんだ。
鳴海くん、ねえ。
たしかに彼とはあの保健室での一件以来、結構よく喋るようになった。
…でも。
「後輩じゃん」
「カンケーないでしょう〜
鳴海くんかっこいいって言ってたじゃない桃だって」
「レイヤくんに似てるからねえ」
「レイヤ?
レイヤって誰だ?犬かなんかの名前か?」
「鈴木は黙ってて。
…とにかくさ、鳴海くんともっと仲良くなれば?
桃の周りに男子って鳴海くんくらいしかいないじゃない!」
「あれっ、俺も確か男なんだけど…」
珍しく弱々しい鈴木の言葉はリエちゃんにスルーされる。
なんか今日のリエちゃんはグイグイくるなあ。