普結くんは、桃にイジワル。
あたしたちの会話を黙って聞いていた普結くんはおもむろに口を開いた。
「あ、そういえば俺今日委員会だったかも」
「委員会…?普結ってそんなの入ってたのか!
俺親友なのに知らなかった…っ」
「なった覚えのない親友というポジション全く嬉しくないなー」
全く焦った様子のない普結くんは、
口先だけでやばいなーなんて言っている。
確か鳴海くんが、前も普結くんが委員会ブッチしたとかなんとか言ってなかったっけ。
「今からでも行ったほうがいいんじゃないの普結くん…」
「は?なんで?
もう終わってるよきっと。」
「また鳴海くんに資料とか届けさせるハメになるよ?」
鳴海くんかわいそう、そう言った瞬間。
物凄い速さであたしの口は大きな手のひらで塞がれた。
「…どうしたの柚山」
「そうだぞどうした普結…」
あたしから背けているせいでどんな顔をしているか全くわからないけど、
からかっているような感じではなさそう、何となく。
びっくりして固まったままのあたしはしばらくされるがままだったけど、
はっと我に帰ったような顔をした普結くんは手を下ろした。