普結くんは、桃にイジワル。



「いつもごめんね鳴海くん。
今日もよろしくねっ」

「…なんかお母さんみたいっすね、八宏先輩」

こんな可愛げのない子どもいらねえ。

全力でそう思った。



「鳴海くんも最近普結くんの面倒見てくれてお兄ちゃんみたいじゃない。
ほんとどっちが先輩だかわかんないよね」


言いながらため息をついて、
鳴海くんに笑いかけた。


「でもいつもありがとうね
わざわざうちの教室まで来てくれて」

「………
あの、俺がこのクラスに来てるのはー…」

「ハイハイ委員会委員会っと
鳴海くんいこっか?」



なにか言いかけた鳴海くんを遮るように普結くんが立ち上がる。

さっきまで一向に立ち上がらずにだらだらしていたのに。

あまりの変わりように唖然としているあたしを置き去りに、
ピシャンと引き戸が閉められた。

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