普結くんは、桃にイジワル。



赤くなった鼻をさすりながら、
ゴホンと咳払いをした鈴木がニヤリと笑う。


「ぷ、ぅ、る、そ、う、じ」

「…プール掃除、か。」

「そういえば今日だったっけ?」


至って冷静なあたしたちに不満そうな顔をした鈴木は
さらに口を開く。


「なんだよお前ら、
高校生だろ?!プール掃除って言ったら青春の代名詞みたいなイベントだぞ?!!
もっとテンションあげろよ!!」

「じゃあプール掃除大好きな鈴木くんに全部任せるから楽しんできて。
俺は教室残って本でも読んでるから」

「普結うう!!!
お前も一緒に青春するんだよおお」


手足をバタバタさせて喚く鈴木から目を逸らした普結くんは、そっとイヤホンを耳につけた。

よっぽど鈴木と喋りたくないらしい。

< 51 / 179 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop