普結くんは、桃にイジワル。
赤くなった鼻をさすりながら、
ゴホンと咳払いをした鈴木がニヤリと笑う。
「ぷ、ぅ、る、そ、う、じ」
「…プール掃除、か。」
「そういえば今日だったっけ?」
至って冷静なあたしたちに不満そうな顔をした鈴木は
さらに口を開く。
「なんだよお前ら、
高校生だろ?!プール掃除って言ったら青春の代名詞みたいなイベントだぞ?!!
もっとテンションあげろよ!!」
「じゃあプール掃除大好きな鈴木くんに全部任せるから楽しんできて。
俺は教室残って本でも読んでるから」
「普結うう!!!
お前も一緒に青春するんだよおお」
手足をバタバタさせて喚く鈴木から目を逸らした普結くんは、そっとイヤホンを耳につけた。
よっぽど鈴木と喋りたくないらしい。