普結くんは、桃にイジワル。
「君らなにさぼってんの?
こういう団体行動ができない人間は社会に出て苦労するよ?」
「…堂々とサボってる普結くんにそのセリフ言われたくないんだけど…
何?ツッコミ待ち?」
もはや掃除をする気もないらしい普結くんは、
かろうじて日陰になっているプールサイドに全身を入れるように縮こませてしゃがんでいる。
どこから取り出したのか、大きめのタオルと麦わら帽子、サングラスをかけて日焼け対策もばっちりだ。
「あ、あれ鳴海くんじゃない?」
リエちゃんの言葉に顔を上げると、
プールのフェンスから見えるグラウンドに
見覚えのある赤髪を見つけた。
「あ、ほんとだ
この時間体育なんだ」
「暑そー…
この炎天下の中サッカーとか鬼だなあ」
「まだ体育館のがマシじゃない?
日差しは当たらないし」
「でも体育館は蒸し暑いからなー
あっという間に汗まみれよ」