普結くんは、桃にイジワル。



サッカーの試合はひと段落したようで、
鳴海くんを含めた体操服姿の男子たちがばらばらと散らばっていく。

その流れに逆らうように、鳴海くんが此方へ小走りでやってくる。


「八宏せんぱい!」

「うぉ、びっくりした」

「んだよ、八宏名指しかよー!
俺もいるぞ鳴海くん!俺のことも呼んでよ!」


真っ直ぐにあたしの方へ向かってくる鳴海くんにすこし驚いたけど

まあ悪い気はしない。

フェンスにしがみつきながら、ひらりと手を振った。

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