普結くんは、桃にイジワル。
臆病な君の思うツボ 7




プール掃除が終わると、
あたしたちはもう汗でドロドロになっていた。


身体を動かして日に浴びたせいか
だるくて眠くて仕方ない。

プール掃除後一発目の日本史の時間、


うつらうつらするあたしの頬に何か固いものがビシリと叩きつけられた。


「…っ、


なに…痛い…」


頬をさすりながら辺りを見回すと、
机の上に落ちていたのは輪ゴム。


「…普結くん」

「なに?授業中に話しかけないでくれない?」

「…なんなのこれは」

「輪ゴム」

「…痛いんだけど?」

「馬鹿面。
ウケる」


普結くんの″ウケる″という言葉ほど怒りを煽る言葉はない。

握りかけた拳をなんとか鎮めてシャーペンを握り直した。


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