普結くんは、桃にイジワル。
「ねー、
さっきの授業中さあ
柚山に手触られてなかった?」
リエちゃんの言葉に口に入れていた卵焼きが勢いよく噴射された。
「きったな…
漫画みたいな動揺の仕方するわねアンタ」
呆れ顔のリエちゃんは、
やれやれとため息をつきながらティッシュを手渡してくれた。
たまには教室以外の場所でお弁当食べよう、
そう提案してきたリエちゃんと向かった体育館裏。
いい感じに日陰になっていて涼しい。
ほどよくお腹が空いていたあたしは、
腰を下ろしてすぐにお弁当箱を開いて卵焼きをつまんだ。
そして、冒頭のリエちゃんのセリフだ。
分かりやすく動揺したあたしは、
むせながら差し出されたティッシュを受け取った。
「ななななんで、
み、見てたの…?」
「そりゃあね。
あたしの席桃のななめ後ろだし」