普結くんは、桃にイジワル。





「ちょちょちょちょちょ、誰あの女
なんで普結と普通に喋れてんの?何者?」

「あたしが聞きたいんだけど…
てか鈴木なんでそんなキレてんのよ」

「だってさ?
親友の俺ですらあんな風に目見て話してもらったことないんだけど?」

「それは鈴木だから目合わせてもらえないんじゃ…」

「むっかつくぅ〜!
邪魔しに行こうぜ!」


いきり立って背中を向けた鈴木に、
慌てて止めに入る。

不満そうな顔で普結くんたちを見つめる鈴木にならってあたしも遠くからその様子を見つめた。



なにを話しているのか、ぺらぺらと喋る二人は楽しそうで。


…あ、笑った。


笑った。
普結くんが、女子に向かって笑った。



「…笑った!!!あの普結が、笑ったぞ!!」

「初めて見たかも、柚山が笑った顔…」


あぜんとするリエちゃんと鈴木の声もどこか遠くで聞こえる。


普結くんが女の子に笑いかけた。


ただそれだけで、
こんなにもショックだなんて。


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