普結くんは、桃にイジワル。
「…鈴木ってなんでこんな柚山に夢中なの?」
「他に友達沢山いるだろうに、なんでだろうね。」
相変わらず文庫本から目を離さず鈴木には目もくれない。
マイペースで変わり者の普結くんだけど、鈴木からのつきまといにはうんざりしているように見えた。
「普結はな、実はいいやつなんだぞ?
お前らは知らないだろうけど俺は知っているッ!」
「出た出た、ありがちな青春漫画に出てきそうな安っぽい友情ごっこのセリフ。鳥肌が立つね」
「……と柚山はこう申しておりますが」
「ほんっと、普結は素直じゃねえなあ〜!!!ま、そういうとこも好きだけどな!」
「俺は嫌いだよクソが」
容赦なく言葉の暴力を浴びせる普結くんは、鈴木をちらりとも見ずに机に突っ伏した。
もう話したくない、という無言の主張にも見える。