普結くんは、桃にイジワル。
「…ね、桃はいきなさいよ柚山のとこ。
鳴海くんと何があったかは知らないけど昨日柚山も様子おかしかったし」
「え、昨日会ったの?普結くんと」
「たまたまね。
ちょっと喋ったけどかなり元気なかったから」
「………」
黙り込むあたしの肩を叩いたリエちゃんは、
机の上にあったあたしのスマホを指さした。
「ほら、桃」
画面に表示されていたメッセージアプリの通知、
「呼んでるよ。
早くいかないとずるずるそのままになっちゃうわよ」
初めて表示される名前。
『体育館の裏、今すぐ集合』
そっけないアイコンとそっけない言葉。
だけど今はなにより胸を締め付ける言葉だった。