わんこな後輩彼氏の話。

「桃萌ちゃんはいつでも可愛いよ？」
「そういういの、遥叶しか言わない」
「え、そんなの他の男に言わせないで」


遥叶は泣きそうな顔で箸を止める。
しゅん、っていう効果音がバッチリな感じ。


「大丈夫だよ、そんな簡単にモテるような性格してないから」
「そんなことないよ。中学の時から、桃萌ちゃんが卒業した後でも桃萌ちゃん、僕の友達の間で噂になってたもん。
可愛いよねって。
真面目だし、目立つし……」


あーあー、来ちゃったよ。
わんこちゃんのヤキモチ。


「生徒会もしてたじゃん……？それにそれに……その……一時期噂立ってた人も？
目立つ系のさ？ウェイウェイ系のさ？野球部のさ？
美男美女だってさ？言われてさ？
野球部の人調子乗ってたし？」
「遥叶？」
「桃萌ちゃんも否定しないから、とっても噂回って回って？
もう尾ひれどころか翼まで生えちゃって？」


だめだこりゃ。
もう顔が泣きそうだもん。
そんなになるなら言わなきゃいいのに。