わんこな後輩彼氏の話。
私は立ち上がって部屋を出た。
お邪魔しました、と呟いてとっとと家を出た。
はす向かいにある自分の家に急いで入る。


何それ。
意味わかんない。
結局、私だけじゃん。
遠距離なんて、離れていっちゃうじゃん、バカ。
なんで……信じてたんだろ。
裏切らない確証なんて、どこにもなかったのに。
……惚れてたからか。
私が彼に、思ってた以上に惚れてた、それだけだよ。


追いかけてこない遥叶に裏切りを確証して、私は家に帰った。
リビングで勉強していた葵唯と目が合う。


「は?もも、泣いてんの?」
「遥叶、私じゃなかったんだって」
「は?何言ってんの?
あんな嬉しそうに、昨日まで帰ってきてたのに」


メガネをかけ直して、私を怪訝な顔をしてみる。
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