La Belle〜あなたといることが私の幸せ〜
そして翌日、父親は屋敷を後にしようとした時、屋敷の庭に美しいバラがたくさん咲いているのを見つけました。その時にベルの約束を思い出し、父親はバラの花を一輪折ってしまったのです。

「よくも私の大切なバラを盗んだな!!森の中で狼に喰われなかったのは誰のおかげだと思っている!!」

突然父親は何者かに肩を掴まれ、怒鳴られました。びくりと肩を震わせた父親が振り向くと、顔に醜い傷痕のある大柄な男性が立っていたのです。

「ひっ!!娘がバラがほしいと言っていたんです!!命だけは……」

父親は顔を真っ青にし、必死で言い訳を繰り返します。男性は少し考えた後、口を開きました。

「お前は私の大切なものを盗んだ。だからお前も大切なものを私に差し出せ」

そして恐ろしいその男性の前に、ベルが連れて来られたのです。

ベルは恐ろしい見た目をした男性を見つめて体を震わせました。これから、この男性と一つ屋根の下で暮らしていくのです。

これは、ベルと男性の恋の物語ーーー。
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