La Belle〜あなたといることが私の幸せ〜
「本当ですか!?嬉しいです!!」

読書が好きなベルのために、男性は広い書斎にベル好みの本をたくさん買ってくれる。そしてベルを奴隷のように扱ったりせず、まるで大切な人のように扱ってくれる。そのことでベルは男性に心を許すようになっていた。

バラの花は品種によって咲く時期が異なる。この屋敷には多くの種類のバラが植えられているため、春から秋という長い期間、美しいバラを見ることができる。しかし、今は雪の降り積もる冬でバラは咲いていない。それでも、ベルは男性のそばに居続けていた。

「そろそろ朝食の時間だ。私は先に行く」

そう言い部屋から出て行こうとする男性に、ベルは「待ってください!もう支度は終わりました。一緒に行きましょう」と微笑んだ。男性の頬がまた赤く染まる。

ベルの部屋は食堂まで遠い。二人は食堂に向かって歩きながら、好きな小説の話をしていた。

「やっぱりシェイクスピアが好きです。ロミオとジュリエットみたいな恋、悲劇だけどロマンチックですし」
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