可愛らしさの欠片もない
同じようなことを聞きたくなってしまった。結婚は若くしてしたのだろうか、と。若い年齢で結婚したからってみんなが駄目になるとは思ってない。では、子供は?居るのだろうか。奥さんは専業主婦だろうか。……浮気なら、昼間なら時間はたっぷりある。相手の人が、仕事を抜け出すことができる立場なら、それはいくらでも可能。……昼間からしちゃうものなの?…許される時間がそこにしかないのなら、しちゃうのか…。すれ違ってるなら夜でもあり?そのスリルも楽しんでたとか……。それで、何もしてませんて顔で家に居るの?居られる?…居られなくなったから、離婚になったということだろうか。でも、証拠がないって。ということは、奥さんは離婚を拒否してるってことで…。違うのか、自分に非がある離婚をしたくない、だから認めないってことかもしれない。だって離婚したいなら、もうどうだっていいとかなりそうだし。慰謝料の問題か…。それがあるから、認めない。でもそれは、この人が要らないって言えば要らないんじゃないの?そうすれば話は早いんじゃないの?浮気をしていたこと、許せないなら、慰謝料は制裁として請求したいって、そんな気持ちがあるのかな。
離婚話は本当のことだろうか。……やっぱり、疑わしい。
「どこに着地したんだ?」
「え?」
「どうせ、離婚なんて嘘に決まってるって、そんなとこか。うっかり指輪をしたまま話を進めたから、そんな話をでっち上げてきたんだろうって」
奥さんが居ることは間違いない、そうなんでしょ?その指輪が本当の結婚指輪なら。ううん、してなくてもよ。
「……そこまでは。でも、離婚が本当かどうかなんて、解らないから」
「だったらこうしよう。俺の離婚が成立するまではつき合わない、それでいいだろ。そもそも、もう何年も別居してるとはいえ、俺は書類上は妻帯者だからね。解りきった話だけど、今つき合えば綺麗なつき合いにはならないから」
……。じゃあ…。
「咲来さんが言ってたように、なかったことにしよう、それがベストだ。そういうことだろ?違うのはそれっきりにしない。別れたらつき合い始めるってことだ」