可愛らしさの欠片もない

「だから知りたいと思う。このまま、じゃあ、にしてしまったら、言った通りなんでもなくなってしまうだろう、多分。番号を知っていてもそれは何も意味をなさなくなる。それはただ虚しいだけだ。だからいずれ消してしまうだろうな。
そんな思いは面倒臭い…、面倒臭いんだよ、ただ燻って。とにかく、嫌だというのなら、今日、ここで終わりだ。二度と声は掛けないでほしい。俺も声は掛けない。
そうすることが間違いのない選択だよな?」

…。はい、と言ってしまえば終わりだ。そこまで話は煮詰まっていた。

「嫌なんだよな?現状では」

私の返事待ちだ。

「私が嫌と言ったら、それで終わりですか?あなたは、私の返事に従うのですか?」

…。ずるいのは解ってる。だけど答えは出したくない。だって、少し前にやっと告白したのに。それがなによ。離婚するって言っても、当たり前だけど奥さんは居るじゃない。それを、それだけを承諾する前に言ってくれたら良かったのよ。そしたら諦めるしかなかったのよ。それを…こんな風に。
時間はかかっても離婚するとか…興味があるなんて言うから…。諦めたくなくなるんじゃない…。私はあなたに気があるのよ。
だけど、…はぁ。

「何がほしい…」

「え?」
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