旦那様は懐妊初夜をご所望です~ワケあり夫婦なので子作りするとは聞いていません~
見学に行く結婚式場をリストアップするだけで、休日はあっという間に過ぎた。さすがに日曜の夜はすんなり寝かせてもらえるだろうと思いきや、その予想は裏切られた。
土曜の夜は寝不足になるくらいたっぷりと可愛がられたので、それに比べれば手加減されたと思う。さすがに仕事に影響が出るといけないと考えるのだろう。
「俺は大丈夫だけど、平日は控えめにしよう。萌奈が寝不足になるといけないから」
私の考えを読んだように突然そんなことを言うから、朝食の味噌汁を噴き出しそうになった。動揺してリアクションが取れない。
「初々しい妻だな」
むせて咳き込む私の頭をなで、景虎は微笑んだ。彼の体を知る前より、妖艶に見えるから不思議だ。
出勤すると、月末の慌ただしさはすっかり通りすぎ、庶務課はいつもの穏やかさを取り戻していた。
「今日は業者さんがいっぱいですね」