わたしたちは運命じゃない



「俺のこと、すき?」

こういうとき、すぐに答えてはだめ。



「──尚弥(なおや)

彼の首に手を回し、軽く抱きしめて。



「すきだよ」



彼のてのひらがわたしの腰に触れたら、幸せが遠のかなかった合図。



身を離すと、控えめにうなずいていた。

安心した?あぁ、よかった。わたしもだよ。満たされたような気分になれるの。


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