わたしたちは運命じゃない
「んー……なんでも、ない」
それでもわたしは、気がつかないふりをする。
きっと本当は。わたしもそう、だから。
もしもこの関係が終わってしまったら?
寄りかかって頼っていた壁が、いきなり消えてしまったのと同じだと思う。
わたしの気持ちはとんでもなく重いし、体重だってゼロなわけない。
堕ちていってしまう。
だからわたしは終えることができない。彼も同じ。だと信じている。
わたしたちは堕ちることはあっても、前に進むことなんて絶対にありえない。
これ以上の関係に、ましてや運命のひとだなんて、なれるわけが。なりたいという希望を伝えることができる、わけ──。