こっちを見て。
「ほんとそれな」
「イケメン支倉くんはいいですねぇ」
「俺のクラスにも支倉推してる女子いるし」
バリボリとクッキーを消費しながら妬み発言を次々に発していく部員。
その中にはもちろん先輩も後輩も含まれている。
そしてあんなにあったクッキーがもう少なくなっていた。
「かっこいいとか、女子はまじで見る目ない」
俺はそう言いながら座り込む。
「うちにはもっとかっこいいセンターとかリベロとかいるのに……」
自分で言いたくはないけど、結局女子は顔しか見てない。
こんなにかっこいい人達がいるのに、なんで俺にばっかり言い寄って来るんだ。
真面目に応援してくれてるとはどうしても思えない。
「……支倉……」
「俺、支倉が女なら今ここで抱いてるわ」
「え、キモいです」
急に馴れ馴れしくくっついてきた先輩を遠ざけると、軽く笑いが起こった。
こんなアホな絡みをしてくる先輩も、試合中では瞬発力が半端なくてどんなボールも拾ってくれる優秀なリベロなんだ。
……俺が女子なら絶対先輩達の方がかっこよく見える。
「宗司のそういう厳しいとこも良いよな」
「……野口もキモい」
「あはは、キモいって言うなよ~」
キモいだろ。
……まあいいけど。