こっちを見て。
「――じゃあ、あとは午前と午後の班分けだけだね!」
実行委員の2人が教壇の前に立って文化祭の内容について話を詰めていくHR。
めんどくさい実行委員なんかを嫌な顔1つせず全力で務める陽葵。
俺には到底出来ない。
「ちなみに実行委員の俺と咲花さんは午前と午後で分かれます。俺が午後で咲花さんが午前」
松川はそう言いながら午前と午後で仕切られた黒板に自分達の名前を書いていく。
……ふーん、そういうもんなのか。
「え、君ら分かれんの?」
「一緒の班になればいいじゃん」
「そしたら文化祭も2人で回れるでしょ?」
クラスメイトのそんな声に、俺は片肘に乗せていた顔を思わず外す。
……なんだ?
この流れ。
「実行委員なってから2人かなり仲良くなってるよね」
「俺らに遠慮せず仲良くしてもらっていいんだぞ〜」
「てかもう付き合ってたりして」
は?
さっきから何言ってんだお前ら。
なんのことだよ。
まさか陽葵と松川のこと言ってんのか?
「ど、どうしたの皆!私と松川くんは付き合ってないよ!?」
あわあわと慌てながら首を振る陽葵を見て、少しほっとした。
……なんなんだよ一体。