花の都の王子は、異世界から来た女の子が愛しくてたまらない。
「……よし、完了。」
「な、何がっ」
「ねえ、香月ちゃん」
王子様は、急に私を見つめ手の甲にキスをして言った。
「俺の妃になってください。」
「えっ……は、花咲さん何を急に」
「急じゃないよ、もしかして香月ちゃん既婚者だった?」
「いえ、独身です。」
そう言うとすごく嬉しそうに微笑んだ。私的には複雑なんだけど……。
「じゃあ大丈夫だ」
「……何がでしょうか」
「まあまあ、堅いことは気にしない気にしない。」
気になるんだけど……勝手に自己完結しないでよ。
「よし、行こうか」
王子様は私の手を握るが、何がよしなのかどこに行くのか全然分からない。彼は私の手を引かれるがままについたのは立派な洋風の大きなお城だった。