花の都の王子は、異世界から来た女の子が愛しくてたまらない。
第一話 現実セカイ
「和泉センパーイ! 今日こそ、合コンいきましょうよ〜今日も人数が足らなくて〜」
就業時間が迫る中、後輩にプライベートなことをまた聞かれた─︎─︎……私は、和泉香月(いずみ かつき)。そこそこ有名な会社で働くOLだ。
「……行かないわよ、合コンなんて。そんなことより仕事は終わったの?」
「はい、仕事はバッチリです。だけど合コンは、先輩しか頼れる人いないんですもん……」
それ、毎日聞いてるよ。いつも、頼れる人いないって言いながら毎日、帰り際必死に探して私が知らない人を誘ってるって。
「私は行かないっていつも言ってるでしょ? 他を当たってちょうだい」
毎日毎日合コンするって飽きないのかな。誰か知らない人と一緒にご飯するなんてあり得ないんだけど……。
おじさん接待ですら疲れるのに。
若い子にはそういうことしか頭にないのかしら……?
ほとんどの女子社員たちは寿退社を目指してるって聞いたことあるし、この子たちも早いところ結婚したいんだろうな。
「え〜でも、和泉先輩も彼氏いないですよね?」
余計なお世話だ……彼女たちはただ単に引き立て役が欲しいだけでしょ。