花の都の王子は、異世界から来た女の子が愛しくてたまらない。



 家に居場所なんてなかった。
 その時にはもうおばあちゃんの家には行かなくなって、大学受験の頃、おばあちゃんは亡くなった……私の味方はいなくなった。

 唯一の味方だったのに。

 だから私は、恋だとか愛だとか興味ないんだ。だから恋愛はするつもりはないし、結婚もしたくない。

 まあ、そのおかげで国立大に特待生でいけて首席卒業できた。そして、有名な大企業のここに就職できた。
 仕事も充実してる。そこそこな幸せでいられるならそれでいいんだ。一生懸命に仕事をしていれば報われる……今年三年目の私が部長になれたし。

 そしたら、給料も上がって、少しだけ贅沢ができるようになった。


 この生活が1番いいんだ。私には合ってる。


    * * *



「お疲れ様でした〜」


 先ほどまで私に誘っていた彼女らは代わりの人を探したのか足早に帰っていった。まあ、誰でもよかったんだよね。


「和泉さん、確認お願いしていいですか」

「あ、うん……確認するね。」




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