花の都の王子は、異世界から来た女の子が愛しくてたまらない。
第二話 扉が開いて、運命の出会い。
* * *
……んっ、もう、朝……? なんでか、眩しい。
こんなに日当たり良かったかな。寝返りをするたびにカサカサするけど……なんでだろう。
もう、起きなきゃ……仕事いかなきゃ。
「─︎─︎つきちゃん……香月ちゃんっ……!」
誰か私を、呼んでる……? そう、思いながら目を開けた。開けるといつもの天井ではなく青空が広がっていて、それに男の子がいた。
「……えぇ! な、な、なんで男の子!? って、ここどこ─︎─︎」
起き上がってよく見るとその男の子、顔も整っているし格好も絵本から出てきた王子様みたい。
「はじめまして、香月ちゃん。俺の名前は、花咲棗(はなさき なつめ)。ここは花の都・フルール。大陸の中でも花が綺麗な場所なんだ。」
花の都、フルール……? 聞いたこと、ない。もしかしてまだ夢を見ているのかな。いや、現実逃避か? 私、そんなに疲れてたっけ……?
「それと、ね……俺はこの王都の第二王子。」
「へっ!? 王子っ」
この人王子様なの? 本当に? え? 私は驚いてるのに彼は爽やかに笑っている。