目覚めのキスを君に

「あなたは……」

オーロラの胸がギュッと音を立てる。このときめきが初めてのものではないとオーロラはすぐにわかった。遠い昔に体験したことがある気がする。しかし、どこでどのように感じたのかわからない。

「僕の名前はフィリップ。こんにちは、オーロラ」

フィリップはそう微笑み、オーロラにゆっくりと近づく。なぜかオーロラの中になぜ初対面のはずなのに名前を知っているんだ、という恐怖は芽生えなかった。フィリップが近づいてくるたびに、また胸が高鳴っていく。

気が付けば、オーロラはフィリップに手を取られていた。指を絡め合い、見つめ合う。まるで神聖な儀式をしている時のような厳かな空気が漂った。

こうして、不思議な森で二人は出会った。



オーロラはフィリップと出会ってから、彼と一緒に過ごすようになった。不思議な森の中で歌って踊り、幸せな時間を過ごしていく。

「フィリップ！木苺のタルトを作ったの。よかったら食べて？」

「本当？ありがとう」