ホタル
親は、
『名前が同じ双子なんてかっわいいじゃない!!2人とも美男美女だし、私たちの自慢のこどもよ』
と、このようなことを言うばかりで全然名前の由来を教えてくれない……。
同じ名前だし同じ名字だから、もう勘違いが多くて大変。
あぁ、今日だって私たちは結構目立つんだろうなぁ。
なんてったって同姓同名の双子なんてレア度高すぎて噂になるに違いない。
中学の時は最後の最後までみんなにからかわれたもんな……あちゃ〜思い出しただけで頭痛くなるよ……とほほ。
大食いの私とお兄ちゃんがもぐもぐと自分たちで作った朝食を口にしていると、2階からお母さんが降りてきた。
「あらぁ2人とも関心ね……ふわぁぁ。」
うちは母子家庭で、お母さんは毎日夜遅くまで仕事に出ているため朝は弱い。
私はいつもお母さんに起こされるまで起きないのだけれど、こういう大事な行事がある時にはちょー早起きなの。
「今日はいよいよ入学式ね。
お母さんも気合い入れなきゃね」
お母さんが気合い入れたとこで私たちへの得はないけれど、なんだか張り切っているお母さんを見るとこっちまで気持ちが引き締まる。
「あ、もうそろそろ時間だぞ」
お兄ちゃんが少し焦りながら言った。
あ〜あ、まだ朝ごはん食べていたかったのにぃ。
ぷくっと頬を膨らませながら、私は牛乳を手に取った。
私ね、牛乳大好きなの!
そこですかさずお兄ちゃんが口を挟んできた。
「おまえ朝からそんな飲んだら腹壊して入学式台無しになるって」
いつもこれなの。
牛乳でお腹壊したことなんて1回もないし大丈夫なのに。
妹を心配してくれてんだね!
シスコンバレてるぞお兄ちゃん!
「だーいじょぶなのっ。心配してくれてどーもありがとね、シスコンさんっ」
私はそう言うと、牛乳が入っていたコップを勢いよくテーブルに置いて、学校に行く準備をしに自分の部屋へと急いだ。
もちろんお兄ちゃんの怒りの声が聞こえたけどねっ。
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