秘密の関係
ドサッ

(荷物はこれで以上です。)

「ご苦労様です。ありがとうございます。」

私は矢吹玲奈(やぶきれな)。年齢は22歳。
都内のIT企業に就職が決まり引っ越してきた。

“荷物片付けないとな…”
初めての一人暮らし、初めての引越し。
分からないことだらけで不安だったが
実家から連れてきた愛犬のチャックと一緒だから寂しくはない。

一通り荷解きが終わったところでチャックの散歩に行くことにした。

「チャック、散歩行こっか!」
【ワンワン】

今まで歩いたことの無い初めての道で私は少し興奮していた。
夕方ということもあり沢山のワンちゃんと出会した。

«かっわいい~»
同い年くらいの女性がワンチャンを連れて
私達の元へやってきた。

「ありがとうございます。お姉さんが連れてるワンちゃんも本当可愛いですね!お名前なんて言うんですか?」

«蘭丸です!仲良くしてあげてください»

その女性と話しているうちに、家が近所だと言うことが分かり一緒に帰ることになった。

«では私はここで!また明日お散歩の時に会えたら楽しみにしています»

「今日はありがとうございました!本当に楽しかったです。ぜひまた明日!」


ーーガチャーー


『おい、なにやってんの?そろそろ飯だよ』

«あ、お兄ちゃん!今行く!散歩してたらね、このお姉さんと仲良くなったの。»

『ふーん。そうなんだ。どうも。こいつの兄です。』

「あっ、どうも!矢吹玲奈です。近くに引っ越してきました。よろしくお願いします。」

どっかで見たことがあるような気が…
気のせいだと思い、その日はそのままお別れした。

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