Déjàvu デジャヴ

「おはよ」


「おはよう」



県大会翌日の朝

玄関で上杉に会った




「昨日、どぉだった?」



「…負けた」



話しながら

ふたりで教室に向かった




「そっか…残念だったね…」



「点も決めれなかったし…」



上杉、元気ない…



「だから
折原に言いたかったこと…言えない

また春に大会あるから
そん時まで待ってて…」



「気になる…」



「言わない」



「気になるよ!」



「あー…なんでオレ決めれなかったんだろ」



「楽しみに待ってていいこと?」



「んー…どぉだろ…」



「なにそれ
尚更、気になるよ」



「秘密ーーー!」




そう言って階段を駆け上がった上杉が

笑顔で私の方に振り返ったから



きっといいことなのかな…って



勝手に期待することにしたよ





春は絶対、決めてね…




春を待ってる







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