Déjàvu デジャヴ

隣に座ったけど

上杉は特に話しかけてこなかった




電気が消えて
スクリーンに映像が映し出された



ドキ…ドキ…




上杉は
ずっと椅子をカタカタ揺らしてた




「誰?…うるさいですよ!」

先生に注意されて、その音が止まった




ドキ…ドキ…




薄暗い中

机に伏せた上杉が見えた




顔、こっち向いてる



ドキ…ドキ…



見てる?…私のこと



ドキ…ドキ…ドキ…



え…



机の上に置いた私の手が掴まれた



ドキ…ドキ…ドキ…



なに?上杉



ドキドキ…ドキドキ…



指先だけで摘むみたいに掴むクセ



触れてる面積は狭いのに

全身が熱くなる



ドキドキ…ドキドキ…



スクリーンの映像なんて

ぜんぜん頭に入ってこない




目で見てるはずなのに

緊張して頭で理解できない




上杉は

きっと映像すら見てない




たぶん

私を見てる



ドキドキ…ドキドキ…ドキドキ…



なに?上杉






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