Déjàvu デジャヴ

私はお腹を触った


赤ちゃん…



「一芭…
起きた…?」


ママの声がした



「今日、学校、行ってきたの…

帰ってきたら
玄関で一芭、意識なくて…
びっくりしたわ」



え…



「誰かいた?
私、ひとりだった?」



「…いたよ…上杉くん…」



「上杉、どこ?」

私はベッドの上で起きあがった



「帰ったよ
あの子、なんでしょ…
赤ちゃんの…」



「違う!」



「本人が言ったよ
すみませんでしたって
折原さんが心配で来たって

学校でも先生に話したけどね
上杉くんも帰ったら親に話すって」




夢じゃなかった…



現実




私はまた

お腹を触った




ここに

赤ちゃんは



いたんだ…






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