Déjàvu デジャヴ
花火を買って公園に向かった
まだ少し明るかった
上杉は
一緒に買ったアイスを食べながら歩いた
ソーダの匂いがした
「食べる?」
上杉の日焼けした腕が私に伸ばされた
「んーん…いらない」
アイスが嫌いとか
潔癖とか
そーゆーのじゃなくて
男子が食べた物に口を付けるのって
抵抗がある
上杉は、ないのかな…?
「あ、当たった!」
「え?」
「アイス、初めて当たった!」
上杉が食べ終わったアイスの棒を私に見せた
あ
た
り
「すごーい!私も当たったことない
私、そーゆーのって絶対当たんないタイプ」
「だよね…折原、当たんなそ…」
「もぉー!上杉ひどい!」
私が怒ると
また上杉は走り出した
私もまた上杉を追いかけた
振り返った上杉は
笑ってた
いつも楽しそうにしてる上杉といると
私も楽しくて
怒っても
苛ついても
なんでかな…
楽しくなる